日本印刷貿易株式会社 代表取締役社長
またパンフレットや紙袋の制作でイベントや展示会などのお手伝いをさせて頂くこともありますが、業者比較 しても20万円以上安くご提供することもありますね。
――そうですね、最初にやって頂く仕事内容は、営業回りです。ちょっと格好よく今風に言えば、コスト削減の
コンサルタントですね(笑)。でもやり方は対面営業ですからかなりアナログですし、すごく地味だと思われるか
もしれません。ですが、だからこそ大事なんだということ、この点を、学生のみなさんにご理解頂けると嬉しいです。営業で学べることは、ある意味で仕事の本質です。それを理屈ではなく、身体で知るきっかけにしてほしい、そう思っています。
営業とは人間同士の交流ですから、全く同じ内容の言葉をしゃべっても、結果はまったく違ったりすることはよくあります。 つまり、単純に「理屈」だけでは人は動かない。ではかといって「感情」かと言うと、それもまた違います。営業マンに対 して「感情」で流されるほど、ビジネスは甘くありません。では理屈でもなく、感情でもなければ、何なのか。 私は、人が動く最後の決め手である〝何か〟とは、〝経験〟であるというのが、最も的を射た表現だと思っています。
つまり「この人に任せれば大丈夫そうだ」「何だか他の仕事も頼みたくなる」という信頼感・安心感を相手に与えられるか、 ということです。この感覚は、相手に饒舌なしゃべりで以て「理屈」で訴えたり、場当たり的に相手を気分よくさせて「感情」 で訴えたとしても、与えることはできない感覚です。
――例えば私自身も、時間が空いたときは今でも「激安の名刺屋です」と言いながら営業回りをやっています。自分の足で歩 いたことがあるかどうか、今でも歩いているかどうかで、相手に与える信頼感・安心感は大きく違ってくると思いますからね。
――同様に新人の営業回りでも、どんな〝経験〟をしたかというのがとても重要になると思います。例えば3件受注した2人の 新人がいたとしても、5社回ったうちの3件なのか、100社回ったうちの3件なのか、というのは大きく違う。
もちろん、この5分の3と100分の3というのは、どっちがいいかとも安易には言えません。少なくとも短期的に見れば、生産効率 の高い前者の方がいいでしょう。しかし、それで100社回れる後者の新人の方を簡単に身切ってしまっては、早計だと思います。
100社回れるバイタリティに加え、失敗の〝経験〟、それを乗り越えた〝経験〟などの見えない「苦労」という財産が、将来的に は大きな信頼感・安心感を相手に与える大器になるかもしれないからです。
これはもう、字面で語れることではありません。単なる営業スキルと違って、教えることも難しい。ですから一緒に営業に行き、 例え学生なりにでも、〝経験〟とは何かということを身体で掴んで頂ければ、必ずや一番の成長の糧になると思います。
ですから、今回募集しているインターン生も、優秀な「弟子」や「部下」になる学生を求めているのではなく、「何かやってや ろう!」と絶えずチャレンジする高い志を持つ学生とお会いしたいと思っています。その意味で、インターン生とわたしの立ち 位置は変わりません。
「同じ志、同じ姿勢で仕事をしていく仲間と出会いたい」、そう思って今回、インターン生を募集させて頂きました。
――そうですね、自分の経験で話しますと、例えば今の印刷という仕事を私にマッチングしてくれた先輩とは20歳頃からの
付き合いで、大学時代は同じ寮で寝食を共にしてきた人なんです。こういう関係はもう、理屈を超えています(笑)。それは、例えばヘッドハンティングで採用できる優秀な人とは、全く別次元の話です。もちろん、学生と寝食を共にすると いうわけではありませんが(笑)、色んな仕事を一緒にし、ときに食事や飲みに行き、少しでも苦楽を共にして、理屈を超え た関係を築いていきたいと思っています。
――こうした同志は、将来的にも、「次にあんな事業をしたい」「この事業をあそこに展開したい」と思った時に、最も活 きてくる強固なパートナーになります。
今私は、ご縁があってたまたま印刷をやっているだけで、必ずしもずっと印刷をやりたいというわけではありませんから、 日本や世界にそうしたパートナーがいれば、それだけチャンスが広がりますし、何より一緒にやっていて楽しいはすです。
ですから逆に、例えば学生が「弊社の台湾や中国とのネットワークを使って、向こうの現地で何かやりたい」と言ってチャ レンジすることも、努力や能力次第でいくらでもサポートしたいと思っています。その他でも、商社なので事業も別に印 刷じゃなくてもいいわけですから、「俺は大阪であの事業だ」など、何でもいいです。同じ志をもつ人が、日本や世界に いるというのは、私としてもチャンスですし、気持ち的にも励みになりますからね。
しかし、その無知がゆえの突進力、非合理的な情熱に、私たちが学ぶべきところも多分に大きいのです。
ですから、私自身のためにも、「学生の情熱にはとことん付き合いたい」、そう考えています。